大腸がんは、以前は欧米人に多いと言われていました。しかし日本でも食生活の欧米化に伴い、大腸がんの罹患率および死亡率は増加傾向にあります。毎年、約6万人が罹患し、21世紀に入り胃がんを抜くと予測されています(現在のがん罹患率:1位
肺がん、2位 胃がん、3位 大腸がん)。性別に差はなく、大腸がんになりやすい年齢は、60歳代が一番多く、次いで70歳代、50歳代と続きます。
一般的に大腸がん検診では、便潜血検査が行われています。これは大腸から出血した血液を便中から検出する方法です。特徴としては、目に見えない少量の出血でも検出可能である、苦痛なく、簡単に検査ができる、などが挙げられますが、欠点としては痔でも陽性になる、早期がんは出血しにくいため陰性でも大腸がんの可能性がある(ある程度大きくなったがんでないと陽性にならない)などが挙げられます。
■ 早期発見には大腸内視鏡検査が有効です
より確実に早期発見をするのであれば、大腸内視鏡検査が最も有効な手段です。内視鏡により早期がんが発見できれば、体に負担の少ない内視鏡によるがんの切除が可能であり、たとえ内視鏡で切除できなくても早期のがんであれば手術による根治率が高くなります。
また、大腸がんはポリープからがん化することが多く、良性のポリープのうちに内視鏡で切除すれば、大腸がん発生の予防にもなります。大腸内視鏡検査は、大量(2リットル)の下剤を飲まなければならない、人によっては苦痛を伴うなどの問題もあり、検査を受けることに躊躇することも少なくありません。しかし現在、大腸がんの早期発見には大腸内視鏡に勝る方法はなく、早期発見・早期治療のためには必要な検査です。
大腸がんは、早期発見・早期治療が可能で、無症状のうちに発見される大腸がんの多くは予後が良く、早期がんであれば内視鏡による治療も可能です。
症状が出てから発見される場合は進行したがんであることが多いのですが、進行がんであっても無症状で発見された場合は手術により助かることが多く、大腸がん検診は意義のあるものと思われます。
■ 大腸がん検診を受けましょう
検診で異常を認めた場合、便潜血検査が陰性でも便秘、便が細いなどの症状がある場合には、大腸の精密検査を受けることをおすすめします。
『すこやか』2006年10月号に掲載 |