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体外受精・胚移植(IVF-ET)
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■体外受精の合併症(リスク)

◎採卵手術のリスク
【感染】

採卵手術時に雑菌が骨盤内に入ると骨盤腔や卵巣周囲に細菌感染を起こし膿瘍を形成するような骨盤腹膜炎を起こす可能性があります。約10%に発生するとされ、高熱症状を呈するのは約1%位といわれています。抗生物質の投与により予防します。

【腹腔内出血、卵巣出血、腟壁出血】
卵巣及び腹膜を経腟的に穿刺する採卵手術では、卵巣出血などによる腹腔内出血を生じる可能性があります。大部分の症例ではこれらの出血は自然に止血しますが、稀に大量出血に至ることがあります。
また卵巣のすぐ近くには大血管が走行しており、採卵手術の際には細心の注意を払って行っています。腟壁よりの出血はたいてい圧迫で止血しますが、まれに縫合を要することもあります。

【他臓器損傷】
採卵手術は直視下の手術ではなく超音波を見ながら穿刺針を進めていくため、他臓器損傷(腸管・膀胱・尿管等)の発生が否定できません。そのため細心の注意を払って行います。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は排卵誘発により卵胞が過剰に発育し、胚移植後の高温期に卵巣腫大・腹水貯留等による多彩な病状がみられる病態をいいます。OHSSの危険因子は年齢の若い方、やせている方、排卵障害の方(特に多嚢胞性卵巣症候群の方)、発育卵胞数の著しく多い方、それに伴い血中卵胞ホルモン(E2)値の著しい高値の方、hCGによる黄体期管理を行った場合(当院では行っておりません)、妊娠周期です。
軽―中等症では経過観察でよくなりますが、重症化すると腹水・胸水が貯留し、血液濃縮が進むと時に血栓症(脳梗塞・心筋梗塞など)を起こすこともあり適切な管理が必要です。胚移植周期の2−5%に入院管理を要するOHSSが発症します。症状は腹部不快感、腹部膨満感、腹部緊満感、圧迫感、腹痛、息苦しい、のどがかわく、体重増加、尿の量が少ない、吐き気、嘔吐症状、下痢、胃が痛い、食欲がない、呼吸困難、心悸亢進、、脱力感など多彩です。腹水が貯留してくる中等症以上では要注意で入院管理が必要です。放置した場合著明な卵巣腫大と多量の腹水貯留を生じ、血管内脱水・血液濃縮を来たし血栓塞栓症・多臓器不全に至ることもあります。
そのため上記症状に注意していただき、何か異常がありましたら超音波検査、血液検査、尿検査を行います。状態によっては入院管理とさせていただきます。
またOHSSを回避するため、発育卵胞数・血中卵胞ホルモン(E2)値の著しい増多をみた場合、全胚凍結法の選択あるいはhCG投与を行わず採卵手術を中止する場合もあることをご了承ください。

◎流産
流産は妊娠例に対し20-30%の頻度で発生するといわれます。自然妊娠より高い頻度です。

◎子宮外妊娠
子宮外妊娠は妊娠例に対し2−7%の頻度で発生するといわれています。卵管留水腫の方に多いとされています。

◎多胎妊娠
複数の胚を移植することが多いため、多胎妊娠の頻度が高くなる傾向があります。移植する胚の数を減らせば妊娠率は犠牲になりますが多胎妊娠の頻度を低下させることができます。そのため移植胚数をいくつにするかをご夫婦でよく話し合っておいてください。

◎染色体異常・奇形
染色体異常児の頻度は1−2%であり自然妊娠での頻度と差はないと考えられます。また先天異常の種類も自然妊娠と同様であり、特徴的なものはありません。
また奇形発生率は自然妊娠と比べて有意に高くなってはいないと報告されています。しかし出生児の長期予後も含め、まだ判明していない点もあることをご了承ください。

◎その他
残念ながら体外受精の治療成績は加齢と共に低下するといわれています。
採卵手術を行っても卵が採取されない方もいらっしゃいます。

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