前立腺肥大症とは?

前立腺肥大症は男性特有の病気で、年齢が高くなるにつれて増えてくることがわかっています。前立腺は膀胱の出口にあり、クルミほどの大きさで、内部を尿道が通っている器官です。この前立腺が年齢とともに肥大することにより、尿道が圧迫されて排尿障害をもたらします。

治療方法

現在の治療の主流は、「α1(アルファーワン)遮断薬」という薬で症状を緩和することですが、薬で前立腺の腫れを完全に元に戻すことはできません。薬で排尿症状が改善されない場合は、手術となります。現在、多くの病院で行われているのは「TUR-P(ティーユーアールピー)」という内視鏡手術で、電気メスで腫れている前立腺を少しずつ切除していく方法です。肥大が進んでいると出血量が多くなり、高齢者や心臓の悪い方には施行できない場合があります。
 
メスを使わないレーザー治療
当院では、この病気に対して前立腺肥大症のレーザー治療を行っています。これはレーザーを利用した治療で、従来の電気メスでの手術では出血量が多くなりがちな前立腺にも対しても対応可能です。

レーザー治療の手順

(1)肥大した内腺を大きくくり抜く 前立腺の組織には、尿道を取り囲む内腺と、その外側を覆う外腺があります。前立腺肥大症では内腺が肥大して尿道が狭くなり、排尿障害がおこります。HoLEPは「ホルミウム・ヤグレーザー」を照射し、内腺と外腺との境目に入り、内腺のみを核出します。核出された前立腺組織は一度、膀胱内に移動させます。

(2)細かく組織を裁断して排出 肥大した前立腺組織の核出が終わると、モーセレーターという機器を用いて、膀胱内に移動させた前立腺組織の核出片を細切し、吸引しながら体外に排出します。モーセレーターは先端が管になっており、尿道から膀胱まで挿入し、先端の穴から核出片を吸引します。

(3)カテーテルを留置 核出した前立腺組織をすべて体外に回収したのち、尿路の確保や保護、止血のために尿道カテーテルという管を挿入して手術を終えます。尿道カテーテルは、血尿等の症状に応じて数日後、抜去されるのが一般的です。

 前立腺肥大を「グレープフルーツ」に例えると、実にあたるのが腫れている前立腺となり、従来のTUR-Pでは、グレープフルーツの実に切り込むため、果汁すなわち出血が多くなります。しかしHoLEP術では、グレープフルーツの実をかたまりとして皮から剥ぎ取るため果汁が出ない、つまり出血が少なくなります。


受診方法

前立腺肥大症の治療をご希望の方は、泌尿器科をご受診ください。

受付時間
【初診】8:30~11:00
【再診】7:45~11:00

※日曜日、祝日、第1・3・5土曜日は休診です。
※代診・休診等が生じることがございます。ご来院の前にご確認ください。
※クリニック(かかりつけ医)からのご紹介もお受けしています。現在、クリニックにおかかりの方は、担当の先生にご相談ください。