整形外科

胸郭出口症候群外来(TOS外来)

当院整形外科では、令和2年7月より、胸郭出口症候群外来(TOS外来)を開設いたしました。

胸郭出口症候群(Thoracic Outlet Syndrome: TOSと略す)とは
聞きなれない病名ですが、片側の頚部から肩のあたりで、腕に行く神経や血管が腕を挙げる時に圧迫されてしびれや痛みを生じる病態です(図1)。
上肢を酷使する職業や、スポーツ、外傷、なで肩の体形などが原因で発症します。
症状は、頚部から肩、肩甲骨部の痛み、上肢のしびれ、だるさ、脱力感、うっ血など多彩です。典型的には電車のつり革につかまる動作、棚の上のものを取る、上げるなど腕を挙げる動作で症状が出てしまい、そのような動作が困難になります。
また、中にはパソコンのマウスを動かす動作がだるさのため短時間しかできない方もいます。

 

整形外科医にとっては有名な病名ですが、実際の診断は難しく、頚椎症や頚頚腕症候群など頚椎疾患の診断が付けられて治療されていることが多くあります。慢性的な痛みのため、原因不明のまま、治療も受けられず、うつ状態になってしまい、いろいろな病名が付けられ、最後には精神科に回されるケースもあります。
診断の決め手はRoosテスト(図2)です。

 

この疾患はNHKの「ためしてガッテン」で良くなる頚部痛として紹介されたこともあります。ほとんどは肩から頚部の体操や姿勢の注意で自然に良くなりますが、中には手術が必要な方もいます。

 

この疾患ではないかと思われる方は、まずお近くの整形外科にご相談いただき、紹介状をいただいてから、TOS外来を受診されることをお勧めいたします。

 


図1 CTアンギオ

腕を上げると右の鎖骨下動脈が圧迫されて細くなっていることが分かります。

2 Roosテスト肢位
右上肢がうっ血している状態を示しています。


Roosテスト
図2のような肢位で指をグ―パーします。これが3分できないとRoosテスト陽性で、TOSの可能性があります。

 


■担当医
 鎌田 修博

■診療日

 第2火曜日 午後(紹介予約制(予約・紹介状をお持ちの方))
 祝日、年末・年始は休診となります

■受診について
 お近くのクリニックの先生からの紹介状をお持ちのうえ、当院地域医療連携室までご連絡ください。

 電話番号:0463-94-2111(代表)
 月曜~金曜8:30~17:00 土曜8:30~12:30(祝日・第1・3・5土曜除く)