血液浄化センター
血液浄化センターのご紹介
当院では外来透析はもちろん、バスキュラーアクセス作成からの透析導入、手術や検査・治療のために入院を必要とする紹介患者さんの受け入れを行っております。また、当院は日本透析医学会教育関連施設となっており、患者さんの病態に合わせた最新の治療を受けることができます。



当院での通院透析をご希望の方
当院での通院透析の受け入れは医師同士で調整していただいております。そのため、当院通院透析をご希望の方は現在通院透析を行っている施設の医師へ当院への通院透析を希望する旨をお伝えください。
当院血液浄化センター医師へ連絡が入った後、日程を調整し、一度当院を受診していただきます。受診時には紹介状を持参していただき、当院の地域医療連携室へお越しください。受診後に当院通院透析の日程調整を行い、通院透析開始となります。
Point1 色々な血液浄化療法に対応しています

当院では通常の血液透析(HD)以外にもon-line HDF、I-HDF、血球成分除去療法(GCAP)、吸着式潰瘍療法(レオカーナ)等にも対応しています。また持続的腎代替療法(CRRT)、単純血漿交換(PE)、血液吸着療法(DHP)、腹水濾過濃縮再静注法(CART)などにも対応しています。当院では病態に応じてHCUや一般病棟(個室)でも治療が可能です。
Point2 当院は各種診療科を併設する病院として、より高度な検査や入院が必要になった場合には院内で連携を図り、対応を行っています

透析患者さんには様々な合併症のリスクがあります。合併症予防として定期的な検査(血液検査・レントゲン・エコー等)を行っています。
総合病院であるためより専門的な検査や治療が必要になった場合は、各診療科と情報共有し、専門的な対応を行っています。
Point3 快適に透析治療を受けていただけるよう、環境づくりに配慮しております
空調は放射空調を採用しており、患者さんに直接気流のあたらない快適性の高い空調を実現しています。ベッド間は透析準備や昇降が余裕を持って行えるように広めの設計となっております。また、各ベッドには無償で見られるテレビを設置しております。また、感染対策として一般フロア(全24床)には医療用空気清浄機「HEPAフィルター」を搭載したクリーパーテーションを設置、また陰圧個室(全2床)も完備しています。

クリーンパーテーション

放射空調

ゆとりのあるベッド間隔
Point4 透析支援システムを導入し、安全な透析治療と業務の効率化を実現しています

電子カルテと共に透析支援システム「Future Net Web+」を導入し、体重や透析条件・治療データなどを一括管理、電子カルテとも連動させることで透析治療の安全性や利便性を向上させています。
Point5 適切な機器保守点検を行い、透析治療の安全性の確保に努めています

専任の臨床工学技士のもと適切な機器保守点検を行うことで機械による治療中のトラブルの防止に努めています。また、適切な水質管理を行うことで安全な透析液を作成し治療に努めています。
Point6 チーム医療を実践しています

関連部署と連携し、患者さんにより良い透析医療を提供できるように努めています。
より良い治療の提供を目指し、医師、看護師、臨床工学技士、栄養士、薬剤師、リハビリ技士等の透析医療に関わるスタッフでチーム医療を実践しています。
Point7 災害時などの緊急事態に備え、さまざまな取り組みを行っています
災害時における透析治療に対する被害・遅延を最小限に留めるべく、環境整備やシステム構築、各種災害時訓練などを行っています。
【血液浄化センター避難経路】
透析スケジュール
外来透析は月・水・金は午前と午後の2回、火・木・土は午前1回の透析治療を実施しています。
- 全26床(内2床は陰圧個室)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
---|---|---|---|---|---|---|
午前 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
午後 | ◯ | ◯ | ◯ |
【入室時間】
午前:8:30~ 午後:13:45頃~ (午前外来の終了時刻により入室時間は変動あり)
設備

透析用患者監視装置・ベッド・テレビ
全ベッドon-line HDFを施行可能です。一部ベッドではI-HDFも施行可能となっています。また、全ベッドに無料で見られるテレビも設置しております。利用の際はイヤホンをご持参ください。

透析機械室
透析療法で使用される透析液は1人当たり約120Lです。患者さんの血液はこの透析液と透析膜を介して接触するため、透析液清浄度を保つ必要があります。
当院では新築移転開設後より常に専任の臨床工学技士のもと厳重な管理が行われておりウルトラピュアな透析液を作成しております。

陰圧個室・クリーンパーテーション
当院では感染対策の一環として一般フロアには医療用空気清浄機「HEPAフィルター」を搭載したクリーパーテーションを設置しております。また、感染予防のための陰圧個室を備えており、安心して透析治療が受けられる環境となっております。

自家発電装置
当院は神奈川県から「災害協力病院」に指定されており、災害対策に力を入れています。透析機器は全て非常用電源に接続されており、停電時に自動で自家発電に切り替わるため継続して電源供給が可能です。また、透析には多くの水を使用しますが、当院は水道水に加えて地下水も利用可能であるため、災害に強い仕組みとなっております。
血液浄化センターの取り組み

シャントエコー
透析医療に欠かすことのできないバスキュラーアクセスは時間がたつにつれてさまざまな変化(合併症)が起き、透析中にトラブルを生じることがあります。合併症としては血管内部が狭くなり血液が流れにくくなる狭窄などがあり、透析中での脱血不良などの原因になります。これらの合併症の状態やトラブルの原因を調べる検査としてシャントエコー検査があり、当院では定期的にシャントエコー検査を実施しております。その際、治療が必要になった場合はPTAや再建を行います。

フットチェック
透析患者さんは動脈が硬くなったり(動脈硬化)、血管にカルシウムがくっついたり(動脈石灰化)することにより、足の血流が悪くなりやすいと言われています。血流の悪い状態で、足に傷が出来るなどのトラブルが起きると、深い傷(潰瘍)になりやすく、免疫力が低下している透析患者さんは潰瘍に細菌がつきやすく、感染を起こし、その結果下肢切断につながる可能性が高いと言われています。当センターでは患者さんの足を守るため、月一回のフットチェックを行っております。

レオカーナ
レオカーナは体外へ出した血液を吸着型血液浄化器に通し、LDLコレステロール、フィブリノーゲンを吸着し、血液流動性を改善することにより、閉塞性動脈硬化症の末梢血液循環を改善し、難治性潰瘍を治療することを目的に使用します。

腎臓リハビリテーション
腎臓リハビリテーションとは腎疾患や透析治療中の患者さんがフレイル(加齢により心身が追い衰えた状態)等にならず、生き生きとした生活を送れるように、運動を主体として、食事、精神・心理サポート等を行うことです。適度な運動を行うことで身体機能低下の予防、病態の進行抑制、生活の質(QOL)ならびに日常生活動作の改善等が期待されており、当院では透析中に専門の指導士のもと運動療法を実施しています。また、患者さんの状態を共有するため月1回多職種での腎臓リハビリテーションカンファレンスを実施しています。

InBody測定
InBodyとは体組成分析装置で、人体に微量の電流を流してその抵抗を測定することで体組成の割合を推定することができます。InBodyの結果により栄養状態に問題がないか、体がむくんではいないか、身体はバランスよく発達しているかなど詳細な分析ができるため、この測定結果に基づいて改善すべき体成分の目標を明確に決めて、実際に体の変化をモニタリングしながら目標達成まで指導することができます。当院では定期的に透析後に測定し、指導に役立てています。

管理栄養指導
毎月一回患者さんへの栄養指導を行っています。透析患者さんの多くは、ご自宅で生活されています。日頃の食習慣が悪いと、低栄養や心不全、動脈硬化など、さまざまな合併症のリスクが高まります。正しい食習慣を身につけていただけるよう、管理栄養士が適切な食事療法のサポートを行っています。また、院内での販売はおこなっておりませんが、デリバリーサービス付き人工透析食の情報提供を行っています。
その他の取り組み
世界腎臓デー
世界腎臓デー(World Kidney Day)とは腎臓病の早期発見と治療の重要性を啓発する国際的な取り組みです。毎年3月の第2木曜日に実施されます。
当院では2023年より医師・看護師・栄養士・薬剤師・臨床工学技士・リハビリ技士・事務等の多職種で構成されるチーム「Team そらまめ」が腎臓デーに合わせて活動を行っています。このような透析導入前の患者さんに対する指導等にも取り組んでいます。
学術成果

第14回日本腎臓リハビリテーション学術集会
- 当院高齢維持透析患者の透析中運動療法の効果
第69回日本透析医学会学術集会
- 著名に病状進行の違ったADPKDの家族例
- 透析困難症患者に対するCEとしての取り組み
- CA-300によるナファモスタットメシル酸塩の投与量の検討