外科

肝臓・胆道・膵臓・脾臓

肝胆膵領域の悪性腫瘍の
早期発見・早期治療

肝胆膵領域の癌(肝細胞癌、転移性肝癌、膵癌、胆道癌)は、自覚症状に乏しく、進行した状態で発見されることが多いため、消化器外科領域で最も予後が不良な疾患です。
一方、近年の診断技術の向上と薬物・手術療法の進歩に伴って、早期発見・早期治療を行うことが良好な治療成績につながることが分かっています。


次のような兆候があったら
身体症状や日常診療で行われる血液検査・画像検査の中で、以下の兆候を見逃さないことが重要です。


①黄疸(皮膚・眼球の黄染、褐色尿)、肝機能異常
 原因不明の黄疸、肝逸脱酵素の上昇がきっかけで肝癌・胆道癌・膵癌の診断に至ることがあります。

②血糖値異常、糖尿病の増悪
 糖尿病の急激な増悪の原因として悪性腫瘍が潜在していることがありますので、
 当院に受診し腹部超音波検査をお受けすることをお勧めします。

③腹部超音波所見による膵管拡張、胆管拡張、膵嚢胞
 超音波検査による膵管拡張や胆管拡張、膵嚢胞といった所見は肝胆膵悪性腫瘍を疑うサインです。

④胆石、胆嚢ポリープ
 みぞおちの痛み・発熱・黄疸は胆石性胆嚢炎を疑う兆候です。
 また、10mmを超えているもしくは増大傾向のある胆嚢ポリープは、悪性腫瘍の除外が必要です。

⑤家族歴
 特に膵癌はある一定の割合で遺伝することが知られています。


正確な術前評価と安全な手術

術前診断

当院では、外科・消化器内科が緊密に連携し、肝胆膵悪性腫瘍が疑われる患者さんに対して、初診の段階で科の垣根を超えた情報共有を行い、3Dイメージ検査・治療プランを協議し、最短期間で手術治療に至るよう心がけております。可能な限り体に優しい腹腔鏡手術を導入しておりますが、癌を徹底的に取除くために拡大手術を選ぶこともあり、患者様個々に最適な治療方針を選択します。

手術

当院では可能な限り体に優しい腹腔鏡手術を導入しております。膵癌や胆道癌に対しては、癌を取除くために開腹手術が選択されることが多く、安全性・根治性を考慮し、個々の患者さんに適した治療を行うことを原則としています。また、関連施設である慶應義塾大学外科学教室と連携し、診断から治療まで一貫して高水準の診断・治療を提供いたします。

外来

境界悪性疾患(膵管内乳頭状粘液性腫瘍や神経内分泌腫瘍など)の長期経過観察、切除不能悪性腫瘍の化学療法、切除不能悪性腫瘍が切除可能となった場合の手術まで、各診療科と連携して患者様個々の状態に合わせた最適な診療を行います。

  

対象とする主な疾患

悪性疾患:

肝細胞癌、肝内胆管癌 (胆管細胞癌)、転移性肝癌、胆嚢癌、
肝門部胆管癌、十二指腸乳頭部癌、膵癌など


良性疾患:

肝嚢胞、膵嚢胞性疾患、胆石性胆嚢炎、胆嚢ポリープ、先天性胆道拡張症など


<外来診察>

木曜日午前      阿部紘大

金曜日午前      阿部紘大