外科

大腸・小腸・肛門

腹腔鏡下大腸手術
腹腔鏡下手術は炭酸ガスでお腹を膨らませたのち,おへそからカメラ(腹腔鏡)を挿入し、おなかの中の様子をモニターに映し出し、腸管の切除やリンパ節の摘出を行います。

拡大した鮮明な画像を見ながら手術を行うため、開腹手術では見えにくかった細かい血管・神経まで見えて緻密な手術操作が可能です。

開腹手術と比較して、出血量が少ないこと,術後の痛みが少ないこと、腸の回復も早く、食事が早くからとれます。入院期間も短く、早期社会復帰ができることなどが利点です。

但し、腹腔鏡手術は、開腹手術と比較し技術的難易度が高く、技術の施設間格差も大きく、ガイドラインにおいても十分な手術技術の習熟度が重要と記されています。当院では直腸癌手術には全例でICG蛍光ナビゲーションを使用。腹腔鏡手術の短所を補うため,画像を立体的に認識できる3D腹腔鏡システムも採用しています。

25年超の腹腔鏡下大腸癌手術経験を有する日本内視鏡学会技術認定医が常勤し専門性の高い治療に取り組んでいます。

縫合不全をゼロに(人工肛門を回避する技術)
直腸癌手術は専門医に治療された場合、一般外科医と比較し、根治性・機能温存・合併症などの成績が有意に優れていることが示されている領域です。

専門医でないと難しい手術:肛門機能温存手術=内肛門筋切除術(ISR)も施行しており、永久人工肛門の多くを回避することが可能となっています。

また、直腸術後の縫合不全対策に関しても全国主要施設が10%前後との報告のなか、昨年は縫合不全率0%の実績でした。

また、外科治療は手術だけでなく、術後管理も予後の為に重要です。低位前方切除後症候群といわれる。直腸癌術後後遺症の対策も積極的に治療を行い良好なQOL対策も行っています。
病気が治ることは当然大事なことですが、元の生活への復帰をゴールに、退院していただくことを念頭に,計画的な入院治療を行っています。

また腹腔鏡補助下手術では、良好な視野を確保し、手術の円滑な進行を得るために、ウルトラビジョン静電沈着システムを使用しています。(図2)
これらの工夫を用いて、年間100例以上の大腸癌手術を行っており、良好な治療成績をおさめています。

図2 ウルトラビジョン 自然にSurgical Smokeを術野から除去し、CO2排出・送気を必要としないメカニズムを備えたシステム


抗癌剤、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬、
放射線治療

日本がん治療認定医機構がん治療認定医を有し、慶應義塾大学腫瘍グループで臨床研究を行ってきた指導医のもと、ガイドラインに準じて行っています。

当院では、長時間の化学療法でも快適に過ごせる、一人一人のスペースを広く確保した外来化学療法室を導入しています。放射線治療は東海大学放射線科・平塚市民病院と連携し、ガイドラインに準じた治療を おこなっています。

医師が必要と判断した場合に慶應義塾大学病院・聖マリアンナ医科大学病院、東海大学病院病の協力の下、がん遺伝子検査を行い、検査結果を基に有効な治療薬を選択し、治療を行っています。