栄養とくとく話

栄養とくとく話

2024年9月広報誌掲載

おいしさの科学 うま味成分を上手に利用しましょう!

9月に入っても暑い日が続き、食事がすすまない方も多いと思います。食欲アップには食事の美味しさのもとである「うま味」が欠かせません。「うま味」とは、塩味、甘味、酸味、苦味と同じ基本味の一つです。また、うま味成分は何種類もありますが、知られているのが、「グルタミン酸」、「イノシン酸」、「グアニル酸」の3つです。

【うま味の相乗効果】
特定の組み合わせで、単独で使うよりもうま味が7~8倍に感じられると言われています。その現象を「うま味の相乗効果」と呼びます。また、減塩料理への活用も効果的です。うま味を利用することで、食事の満足度が上がり、美味しさを損なわずに減塩につなげることが出来ます。

うま味成分のある食材を日頃の料理に取り入れ、残暑に負けない体をつくりましょう!

2024年7月広報誌掲載

主食のご飯は何を選んでいますか?

炭水化物は3大栄養素のひとつで、脳や体を動かすといった主にエネルギー源として利用される大切な栄養素です。体内の消化酵素で消化できる「糖質」と消化されない「食物繊維」に分けられます。主食を摂ることは、筋肉量を維持するためにも大切なため、糖質の量が気になる方は「ご飯の種類」を変えて食物繊維を増やしてみてはいかがでしょうか?

『白米』もちもちした食感で甘味がある。不溶性食物繊維が主に含まれているが、糖質の代謝を助けるビタミンB1が少ないため、他の食品から補うことが大切。

『玄米』精米していないお米のことで、白米よりビタミンB群が多く含まれている。食感がやや硬い。

『麦ごはん』食物繊維などが多い。中でも水溶性食物繊維のβグルカンという物質は血糖値の上昇抑制や血中コレステロールを低下させる作用が期待されている。麦にも用途により種類があるが、加工しても食物繊維の量が減らないのが特徴。

『雑穀米』玄米、あわ、キビ、もち麦などを白米に混ぜ込んだもので種類が豊富。食物繊維等を増やすことができる。

『こんにゃく米』こんにゃくをお米の形に加工して、お米と一緒に炊いて食べるもの。エネルギーと糖質を抑え、食物繊維が多くなる。中でも水溶性食物繊維のグルコマンナンは血糖値の上昇抑制や血中コレステロールを低下させる作用が期待されている。

『カリフラワーライス』糖質は白米の1/16、ビタミン・ミネラルなどが豊富。お米ではないため、さっぱりとしている。


2024年5月広報誌掲載

加齢とともに変化する「味覚」について

 「味覚閾値」という言葉を知っていますか?これは人が味を感じるのに必要な刺激量の最低濃度を指します。歳をとると味を感じる味蕾の細胞が減少するため「味覚閾値」は高くなります。つまり、味を感じるために必要な刺激量(甘味・塩味・酸味・苦味)が増える、より濃い味付けが必要になるということです。知らず知らずのうちに濃い味付けを好むようになっていませんか?塩分の取りすぎは高血圧を引き起こし、糖尿病患者さんは砂糖やみりんの使い方に注意が必要です。料理の味付けやメニューの選び方を見直しましょう。

〈薄味でも美味しく食べるポイント〉

①よく噛んで食べる…味蕾は液体に反応するため、咀嚼して唾液と食物が混ざることで味を感じやすくなる

②酸味を生かす  …酸味は塩味・甘味と比べて閾値が低いので味を感じやすい

③食生活を整える …食生活が乱れると味蕾の細胞に必要な亜鉛が不足し、味を感じにくくなる


2024年3月広報誌掲載

葉酸には動脈硬化の予防に重要な役割が!?

葉酸が妊娠のごく初期に欠乏すると、胎児の神経管閉鎖障害の危険性が高まると言われています。葉酸には他にも動脈硬化の予防に重要な役割を果たしていることがわかってきました。

葉酸は「ホモシステイン」という物質をメチオニンに変換する時に必要となる栄養素の一つだからです。

ホモシステインという物質が血中に多くなると、動脈硬化や血小板の凝集、血栓形成の促進などによる血管系疾患や骨粗鬆症の発症に関係するなど、健康リスクが高まってしまいます。

年齢問わず、葉酸をしっかりと摂取することが大切です。